ミヤマカラスアゲハ夏型:北海道旭川市産
学術的には、何の重要事項もない個体。

見てのとおり右回りにねじれてしまった翅型異常です。

右前翅は細くなって先が下を向き、同様に右後翅も下方左に曲がっています。

一方で左は前翅は同じく右に曲がったため、逆に幅が太く先端が鈍化したように見えます。蛹の時に何らかの外力を受けてねじれたまま固まり、そしてそのまま羽化してきたのでしょうね。

展翅したとき、風車みたいと思ってしまいました。


矮小型を何題か提示します。

まずは、ミヤマカラスアゲハ。

北海道旭川市神居古潭産、6月野外品。

左が同地同日の通常型と、ギフチョウの普通の大きさの個体との比較。矮小は一目瞭然ですね。右が単独写真。

この個体、パッと見、性別はどっちに見えますでしょうか。色合いといい、性票が見られない点といい、展翅するまでメスだと思っていましたが、交尾器はオス。成長不全では性票が出なくなっちゃうんですね。

 

 

続いて、アゲハ。
こんなサイズはいくらでもいそうですが、それは春の話。これ夏型。全体に大きい個体の夏型にあっては、この個体矮小と言っていいと考えています。

静岡県三島市産、9月野外採集。

次は、カバマダラ。スケカバと同じく浜松で大発生した時の採集品。

この写真は、ちょっと強調してるかもしれません。ネタばらすと、右列の雌雄は中でも一番大きな個体。とはいえ、左の雌雄はやはり矮小と言っていいくらいの小型かと思います。

最後に、矮小色々。ギフチョウが大型なわけではありませんので…。