ウラギンキンシジミ:1989.7.31. 長崎県対馬美津島町 野外採集
飛翔時にもはっきりと色彩異常のわかった個体です。一度振り逃がし、15分待って再登場したところを無事仕留めました。
一日三食は日本人の日常ですが、一日三色はなかなか無いことだと思います。
銀色ヒョウモンモドキ3題(2♂♂1♀):兵庫県産 規制前累代飼育品
同列転換に示した個体と同腹。こちらは2化にならず越冬したもの。
豹紋の黒い部分が薄くなり、見様によっては銀色に見えます。それだけで並べると(上段左写真)はっきりしませんが、ノーマルタイプと並べると違いがはっきりしてきます。上段中央が左の♂、上段右が右の♂、下段が♀です。
同じような成り立ちかと思われる色彩異常を示す別種2題の写真を下に示しておきます。
銀色の縁のヒメキマダラセセリと前翅が銀色のベニモンカラスです。
シロカラフトヒョウモン:北海道産(あたりまえか…)
左は全体、右は前翅中央が対称で白化傾向を示しています。
いずれも野外品。
ウスキタアカシジミ:青森県産。飼育品。同日同所で採卵されたものから出た2頭です。
右が正常色彩。左が薄くなったものです。
実は…右の個体も変な奴で…左前翅前縁に明らかに異なる色調が入っています。たぶん…同列転換。単独の写真を、同列転換の項にも提示しておきます。
スケスケもの。
左:有名なスケカバといわれるもの。石垣島産 野外品
中:スケヒメアカタテハ。西表島大原産 野外品
右:スケギフ。金沢市産 規制前野外採集品
そしてカバマダラ。
通称スケカバといっても、所詮スジグロカバマダラ。これこそ正真正銘の
「スケカバ」といえるでしょう。
浜松市で数千頭ともいわれるほどの大発生をした時の産物。
2010年9月19日 浜松市産 野外品
続いては黒化傾向の強いもの
上段左:奄美大島産 アカボシ♂ 野外品
上段中・右:北海道上川町産 オオイチモンジ♂ 野外品。中が表で右が裏。クロオオイチは裏の特徴でグレードがあるようですが、この個体がどのレベルに相当するのか、自分では判別付きません。
下段左:石垣島産 ナミエシロ♀ 野外品
下段中:静岡県函南町産 ベニシジミ 野外品。夏型ですのでもともと黒い傾向はありますが、前翅基部には少々赤が残ったりするものがほとんどです。この個体、写真では判りづらいかもしれませんがべたーーーーっと黒くて、黒が均一で、それでいてなんとなく黒の濃さだけは全体に若干薄い感じ。バリーエーションの範囲からは逸脱して、異常型として良いと判断しました。
ゼフのうち、ミドリシジミ群の色の変化
上段左:オオミドリ♂ 九州地方産。表がピンク色になっています。これ飼育品。飼育色と言ってしまえばそれまで。飼育の場合だとこの色はむしろ飼育失敗とみるべきかもしれません。
上段中:ジョウザンミドリ♂ 長野県白馬村産 。同じように表がピンク色ですが、これは野外品なので飼育失敗でも何でもありません。テリ内を飛び回っているときから、異様な色彩を放ちまくっていました。陽の光にあたって桃色に光るミドリシジミ類を見た経験は、後にも先にもこの個体だけです。
上段右:クロミドリ♂ 飼育品。時々出る、紫に見える帯が出現するタイプ。
下段:オオミドリ♂ 神奈川県産 飼育品。通常赤い後翅裏面紅角が黒くなってしまったもの。頻度などはまったくもって不明です。